雑すぎる依頼にどう対応するのが良いのか考える

2019.10.15

  • webディレクター
  • 問合せ対応

こんにちは。賀川です。

Webディレクター業を主にやってきているのですが、去年からのエンジニア学習の甲斐あって、最近はWordPressを利用したCMS構築やLaravelのバックエンド開発の依頼もちらほらと出てきて嬉しい状況になってます。

たくさん開発のお話をいただくのはありがたい、本当にありがたい、ありがたいのですが、結構な頻度で

「この依頼の仕方は雑すぎやしないか...」

と思うこともあります。 それがちょっと想像していた以上に多いので、そういったときにどう対応するのが良いのか考えてみました。

実際にあった依頼内容

最初にどんな依頼があったのかを記載します。ちょっとだけ修正しますがほぼこんな内容でした

お疲れ様です。案件についてご相談させていただきたくご連絡です。

【環境】

・言語:PHP7.3

・DB:MySQL

【納期】

11月初旬に公開する予定ですので、遅くとも10月下旬には納品いただきたいです。ご検討の上対応可否をお教えください。

・・・はい、以上です。この下に概要が続くと思って見てみましたが、一切スクロールできませんでした。これで終了。

この連絡に対する返答は罵詈雑言を含めればいくらでも出てきそうですが、修行だと思いちょっと気持ちを抑えてどんな風に連絡するのが良いのかな、と考えてみます。

やってはいけない返答

やってはいけない返答を先に書きます。

1. 相手を責める

(ダメな返答例1)

ご連絡ありがとうございます。

正直に申しまして、しようが雑すぎて何をどうしたら良いのかが全くわかりません。これだけの連絡での対応可否は無理です。

もう少し詳細がまとまった要件定義をいただけますでしょうか。よろしくお願いします。

まず一番ダメなのは依頼者を責めてしまうメールですね。『この文章だけでは何をしたら良いか全くわからない』とか『こんな依頼書でよく依頼してきましたね。』みたいな内容。

というのも、何回か経験してきてわかったのですが、こういう依頼する方というのは全然悪気なくやっているんですよね。(だからこそたちが悪いとも言えるのですが)

多分間に入ってシステムとかよくわからない人で、とりあえず右から左に流してしまっただけだと思いますので、相手を責めるのは一旦横に置いておきましょう。

また、これから始まる開発の最初の段階で関係性をわざわざ悪くしてスタートする必要もないので、責めたい気持ちめちゃくちゃ分かりますがグッとこらえましょう。目的はプロジェクトを完成させることです。

2. 相手任せにする

(ダメな返答例2)

ご連絡ありがとうございます。

PHP、MySQL案件であれば経験がありますので対応できるかと思います。

もう少し詳細な内容をいただければと思いますので、引き続きよろしくお願い致します。

次にダメなのは相手任せに進めようと思うことですね。多分こういった依頼する方は「詳細内容ください」とお願いしても絶対に詳細内容はくれません。こちらが教えるくらいの気持ちで、具体的にどんな内容が欲しいのかを記載する必要があります。

ステップに分けて返答を作成する。

それでは返答を作成していきましょう。

返答ステップ1:とりあえず思いついたことを書きなぐる

それでは実際にどのような返答をするべきか、というところですが、ちょっとステップ分けして考えてみます。

まずステップ1として、とりあえず依頼内容を読んで思いついたことを書きなぐってみるということです。ここでは思いついたことをそのまま書けば良いので、罵詈雑言なんでもありです。

例えばこんな感じ。

とりあえず依頼内容が雑すぎて全く何をしたら良いのかがわからない。

PHPはバージョン書いてあるけどなぜMySQLはバージョンが書いていないのか。

PHPの開発といってもフォームを作る、掲示板を作る、Webサービスを作る、ブログを作る等等で規模も変わるし、何を根拠に開発を始めれば良いのかがわからない。

納品についても、サーバにアップするまでを担当するのか、データだけ送れば良いのかでも全然異なるし。

また、要件教えてくれないのに納期だけ決まっているってどういうこと?

あと開発環境は用意されている?環境もこちらで構築する必要がある?

・・・

みたいな感じで。殴り書きなので体裁はどうでもよし。

余談ですが、一旦文字に書くと気持ちが晴れてくるというのがあるので、ストレス発散も兼ねて書いてみるというのは良いと思います。

返答ステップ2:要点を箇条書きでピックアップする

次に、先ほどの殴り書きから要点をピックアップします。その際は箇条書きがわかりやすいです。

今回の場合だと、抜き出すと下記5点になります。

■1. PHPはバージョン書いてあるけどなぜMySQLはバージョンが書いていないのか。

■2. PHPの開発といってもフォームを作る、掲示板を作る、Webサービスを作る、ブログを作る等等で規模も変わるし、何を根拠に開発を始めれば良いのかがわからない。

■3. 納品についても、サーバにアップするまでを担当するのか、データだけ送れば良いのかでも全然異なるし。

■4. あと開発環境は用意されている?環境もこちらで構築する必要がある?

■5. 大事な予算が書いてないけど!!

これが今回の要件に対して知りたい部分になります。

返答ステップ3:要点を質問に変換する

次に、ステップ2であげた要点を質問に変換します。また、罵詈雑言系はここで削除します。

細かいですが一つずつ見ていきます。

1.

■1. PHPはバージョン書いてあるけどなぜMySQLはバージョンが書いていないのか。

簡単に読むとMySQLのバージョンが知りたいだけなので、これはこんな感じで質問↓

MySQLのバージョンは何でしょうか?

2.

■2. PHPの開発といってもフォームを作る、掲示板を作る、Webサービスを作る、ブログを作る等等で規模も変わるし、何を根拠に開発を始めれば良いのかがわからない。

作るモノは一体何かを知りたいだけなので、これはこんな感じで質問↓

今回の最終的な制作物を確認したいのですが、作りたいWebサービスの概要をお教えいただけますでしょうか。 また、要件定義書があれば事前に確認させていただけますと幸いでございます。

ここではざっくりと聞くことと、「要件定義書」というワードを出すことによって、詳細を確認することが目的です。

で、ここが一番大きくて最終的にはヒアリングシートを用意した方が良い場合もありますので、そこらへんは臨機応変に対応する必要があります。 ただ今回の場合は最初からヒアリングシートに細かく書かせると嫌がりそうなので、まずはざっくりと概要を聞く → 細かくつめるためにヒアリングシートに記載してもらう or 再度打合せする、といった流れが良いかと思います。

3.

■3. 納品についても、サーバにアップするまでを担当するのか、データだけ送れば良いのかでも全然異なるし。

納品形式を知りたいだけなので、これはこんな感じで質問↓

納品は完成したファイルとデータベースのダンプファイルをデータでお送りすれば良いでしょうか。

4.

■4. あと開発環境は用意されている?環境もこちらで構築する必要がある?

サーバの情報を知りたいだけなので、これはこんな感じで質問↓

開発環境は御社で準備があるのでしょうか。ある場合、弊社の開発として利用しても良いでしょうか。

5.

■5. 大事な予算が書いてないけど!!

予算を知りたいだけなので、これはこんな感じで質問↓

今回のプロジェクトの予算をお教えいただけますでしょうか。

以上5つの質問が出ました。まとめると下記のようになります。

・MySQLのバージョンは何でしょうか?

・今回の最終的な制作物を確認したいのですが、作りたいWebサービスの概要をお教えいただけますでしょうか。 また、要件定義書があれば事前に確認させていただけますと幸いでございます。

・納品は完成したファイルとデータベースのダンプファイルをデータでお送りすれば良いでしょうか。

・開発環境は御社で準備があるのでしょうか。ある場合、弊社の開発として利用しても良いでしょうか。

・今回のプロジェクトの予算をお教えいただけますでしょうか。

返答ステップ4:質問を文章にまとめる

ということでステップ3までである程度聞きたいことがまとまりました。ここまでで先方に確認しても良いのですが、もう少しまとめてみます。

まずは質問をカテゴリごとに分けます。(カテゴリ分けする理由としては、カテゴリに分けて箇条書きで質問した方が返答してくれるという個人的な統計からです。)

今回は下記5点のカテゴリに分けます。

・制作物について

・技術要件

・環境について

・納品形式

・予算

で、これにさっきの質問項目を当てはめると

【制作物について】

今回の最終的な制作物を確認したいのですが、作りたいWebサービスの概要をお教えいただけますでしょうか。 また、要件定義書があれば事前に確認させていただけますと幸いでございます。

【技術要件】

MySQLのバージョンは何でしょうか?

【環境について】

・開発環境は御社で準備があるのでしょうか。ある場合、弊社の開発として利用しても良いでしょうか。

【納品形式】

・納品は完成したファイルとデータベースのダンプファイルをデータでお送りすれば良いでしょうか。

予算

・今回のプロジェクトの予算をお教えいただけますでしょうか。

で、質問内容を推敲します。

【制作物について】

今回の最終的な制作物を確認したいのですが、作りたいWebサービスの概要をお教えいただけますでしょうか。 下記がわかれば助かります。

・すでに制作中であれば途中の画面を見せていただきたいのですが可能でしょうか。

・これから作る場合、どのようなサイトを目指しているのか参考のサイトURLをお教えください。

また、要件定義書があれば事前に確認させていただけますと幸いでございます。

【技術要件】

MySQLのバージョンは何でしょうか?また、PHPについてですがフレームワーク(Laravel等)は利用していますでしょうか。

【環境について】

・開発環境は御社で準備があるのでしょうか。ある場合、弊社の開発環境として利用しても良いでしょうか。利用して良い場合はサーバの接続情報をお教えください。

【納品形式】

・納品は完成したファイルとデータベースのダンプファイルをデータでお送りすれば良いでしょうか。

予算

・今回のプロジェクトの予算をお教えいただけますでしょうか。

となります。これで聞きたいことはまとまりました。

返答ステップ5:ヘッダー、フッターをつける

最後に文章のヘッダーとフッターをつけます。ヘッダー、フッターと言っていますが、ステップ4で作成した内容の前後の文章を考えるだけです。

・ヘッダー

まずは最初に各文章です。ここでは今回いただいた内容だけではわからなかったよということを伝えて、そのために追加質問させてほしい、ということだけ言えれば良いので、下記のような内容でOKです。

この度はご相談いただきありがとうございます。

いただいた要件だけでは対応可否の決断・見積が難しかったため、追加で質問させていただきたく連絡いたしました。

・フッター

フッターで書きたいのは、この質問に答えてくれた後で、対応可否について連絡するよということです。この質問したからと言って、必ず仕事受けれるわけではないので、そこらへんをきちっと伝えておく必要があります。 また、このやりとりに日数をかけてしまうとその分納期も遅れちゃうよ、ということもしっかり伝える必要あります。

こんな感じかと。

上記質問の回答を確認させていただいた後に、今回の案件の対応可否・予算をご相談させていただければと思います。

また、納品予定日が来月末と近づいておりますので、なるべく今週中に返答いただけますと助かります。

これらをまとめると下記のようになります。

この度はご相談いただきありがとうございます。

いただいた要件だけでは対応可否の決断・見積が難しかったため、追加で質問させていただきたく連絡いたしました。

【制作物について】

今回の最終的な制作物を確認したいのですが、作りたいWebサービスの概要をお教えいただけますでしょうか。下記がわかれば助かります。

・すでに制作中であれば途中の画面を見せていただきたいのですが可能でしょうか。

・これから作る場合、どのようなサイトを目指しているのか参考のサイトURLをお教えください。

また、要件定義書があれば事前に確認させていただけますと幸いでございます。

【技術要件】

MySQLのバージョンは何でしょうか?

また、PHPについてですがフレームワーク(Laravel等)は利用していますでしょうか。

【環境について】

・開発環境は御社で準備があるのでしょうか。ある場合、弊社の開発環境として利用しても良いでしょうか。利用して良い場合はサーバの接続情報をお教えください。

【納品形式】

・納品は完成したファイルとデータベースのダンプファイルをデータでお送りすれば良いでしょうか。

【予算】

・今回のプロジェクトの予算をお教えいただけますでしょうか。

上記質問の回答を確認させていただいた後に、今回の案件の対応可否・予算をご相談させていただければと思います。

また、納品予定日が来月末と近づいておりますので、なるべく今週中に返答いただけますと助かります。

はい、こちらで良いと思います。

まとめ

ということで、『雑すぎる依頼にどう対応するのが良いのか』を考えてみました。

ざっくりまとめると、

・ケンカ腰にならない

・聞きたいことをしっかりまとめる

・回答してもらいやすいようにする

と言うことですね。

なぜここまでするか

めっちゃくちゃめんどくさいな。。。と思いつつも最初は出来る限りここまでやるようにしています。場合によっては今後長く付き合うこともある可能性あるので、最初は丁寧にするよう心がけます。

で、長いこと付き合っていくと相手も私の方にどこまで最初に依頼すれば良いかがわかってきてくれるんですよね。

『以前依頼したときにこういう質問が来たから、予め〇〇は連絡しておこう。』みたいな。

そうなったらかなり楽になるので、最初からイライラしてケンカ腰で始めるのではなく、ちゃんとした関係性を築きたいと思い丁寧に接するようにしています。

最後に

なお、ここまでやっても何回も同じような雑な依頼が来る場合は、今後なおる可能性が0に近いのでお付き合いはお断りすることをおすすめします。